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イギリスのEU(欧州連合)離脱を2019年3月29日に控え、日本の企業でもイギリスでのビジネス戦略を見直す動きが出てきています。
工場閉鎖や生産計画の撤回、欧州本社の移転など、先行き不透明なイギリス経済に対応した動きが続いています。
ブレグジットがイギリスの経済、ひいては世界経済の減速を招きかねないと感じています。
ブレグジットとは?
ブレグジットとは、イギリス(Britain)と離脱を意味する(exit)を掛け合わせた造語です。
2016年に起こったイギリスのEU離脱問題のことです。
欧州連合とは?
EUと呼ばれることが多い欧州連合は、欧州28カ国が参加している政治経済の同盟です。
第2次世界大戦後、貿易相手とは戦争を避けようとする傾向から、経済的協力を促進するために同盟が作られました。
EU加盟国はまるで1つの国のように物資や人が基本的に自由に動ける単一市場へと成長しました。
加盟国19カ国で使用されているEU独自の通貨ユーロや環境や交通、通信料金のようなモノまで幅広い規定を定めています。
イギリスのEU離脱の背景は?
イギリスはEUの中でドイツと並び経済が発展しています。労働賃金が高く移民の支援もしっかりしています。
また、英語圏ということもありフランスを経由してまでも移民が目指す先がイギリスになっていました。
イギリスの移民の増加、EUに加盟しているために移民の受け入れを拒否するわけにはいかず、その分の費用は税金で負担することになります。
人口が増えたことでただでさえ高いイギリスの家賃が上昇したこと、移民に職が奪われるという失業者からの不安も高まり離脱する道を選ぶという方向にシフトしてきました。
イギリスがEUに加盟していることでメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。
2010年にEU加盟国であるギリシャが財政破綻したことによって、ユーロ危機にまで発展しました。
とくにイギリスはユーロを導入せずに、自国通貨であるポンドを維持しながらEUとうまく距離を保ってきました。
しかしながら他の国のイレギュラー的な負担をEUに支払わなければいけないという反発がブレグジットを推進させたと言えます。
ブレグジットショック:誰もが予想できなかった投票結果!
2016年離脱派の勝利が決定的になったとBCCが報じたのが日本時間の24日11時30分ごろです。
最終的には国民投票によって52%対48%の比率で離脱が決定しブレグジットが現実のものとなりました。
当日ドル円は106円から98円割れ、ドル円は過去5番目になる値幅となりました。
英ポンド円が160円台から130円台まで急落しました。
マーケットの混乱、ブレグジットが世界経済にあたえる影響がいかに大きかったかが伺えます。
イギリスにはユーロ圏の金融機関が集まっています。
イギリスがEUを離脱したことでロンドンに拠点を置くメリットがなくなりパリへ移転を行うことを決めた企業もあります。
空きテナントが増えることにより海外からイギリスへの不動産投資の引き上げが加速する可能性があり、不動産ファンドの解約停止も報じられています。
ブレグジットがもたらす日本への影響は?
イギリスは日本にとってアメリカ、中国、オランダに次ぐ第4位の取引先です。
また、日本の多くの企業が現地に拠点を設けています。EU離脱は日本の貿易に大きな影響をあたえることでしょう。
EU域内の貿易は、現在関税がかかっていませんが、イギリスが離脱した場合、域内の国に輸出する際に関税がかかる可能性があります。
イギリスで製品を生産している企業、日本からイギリスを経由してEU各国に輸出している企業は、販売への影響が出るでしょう。
ホンダはブレグジットとは無関係と言っていますがイギリスの工場を2020年までに閉鎖する方針を決めたと発表し、そしてNISSANも生産計画を撤回しています。
NISSAN、トヨタ自動車、ホンダの3社は、去年1年間にイギリス国内で合わせて78万台余りの自動車を生産しています。
これはイギリス国内の全生産台数の半数近くに上っていて、多くがEU各国に輸出されています。
自動車産業だけありません。
パナソニックは2018年10月、欧州の統括会社を英国からオランダ・アムステルダムに移転しました。
また、ソニーは3月末に欧州本社の登記を英国からオランダへ移すと発表しています。
ブレグジットによる日本経済への混乱は避けられないでしょう。
様々な業種で部品や原材料その他、完成した製品の輸出入に関して関税が課されるようになると、それがそのままコストとなって積み上がることになります。
特に、自動車業界など関税の影響が大きい企業は、サプライチェーン自体の見直しも視野に入れる必要があります。
サプライチェーンの問題
私達が普段使用している電化製品や衣服、食品など実体のあるモノには製造から販売までの共通した流れがあります。
サプライチェーンとはいわばこの流れ全体を指す言葉であり、お金の流れのスタートからゴール地点と言い換えることができます。
ですから、EU諸国とイギリスを介在してサプライチェーンを構築している企業には、当然影響が出てきます。
特に製造業者のイギリスへの進出が多い日本では、そのインパクトは非常に大きいものになるでしょう。
ブレグジットがもたらすユーロへの影響は?
ブレグジットショックの通り基本的にイギリスの混乱でポンドが暴落する恐れがあります。また、EUはイギリスという有力国を失うこととなりユーロ安が起きると予測されます。もちろんマーケットですから何が起こるかわかりません。しかし、イギリスがぬけることによりユーロの信頼は確実に下がる可能性はあります。
また、イギリスに対して輸出量の多い国、ベルギーやスペインなどもダメージを受けると予想されます。
また、イギリスとEU諸国間をまたぐ人材を登用する場合、その移動をとうするのかといった問題も生じます。
これまで比較的自由に行き来が可能だったところから、通常の国家間の異動が制限される手続き上の手間が増える可能性もあるでしょう
現時点では、現実ブレグジットとは避けられないのではないでしょうか。
まとめ:ブレグジットとは?日本への影響は?ユーロへの影響も気になる!
ブレグジットについて簡単に説明してきましたが様々な混乱が生じます。
日本の法整備の問題、国際法、経済、移民の問題から為替や私達日本企業の状況も変わってきます。ブレグジットは、世界経済にも影響を及ぼすとても大きな問題です。一概に離脱の善し悪しを語ることは難しいことですが要点を整理してこれからの動向には、注意が必要です。
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